命を削りながら戦う天才 『聖の青春』
今回紹介するのは幼いころから難病と闘い、29歳という若さでこの世を去った天才棋士、村山聖の一生を描いたノンフィクションです。
村山聖は5歳の時に腎ネフローゼという難病に見舞われ、生涯その病気と闘い続けながら、将棋界の最高峰A級に在籍。
そしてA級に在籍しながら29歳でこの世を去ってしまう。
歩くこともままならない体で、朝10時から深夜0時まで15時間戦い続け、そのまま病院へ搬送される。
そしてまたふらつきながら次の対局へと向かう。彼は文字通り命を削って戦い続けた。
壮絶な人生を送りながら、豪快で繊細で、どこかあどけない青年。
村山聖という人物には唯一無二の魅力がいくつも詰まっていました。
そして彼を支え続ける家族の姿には涙が止まりませんでした。
村山聖という青年を通して「何のために生きるのか」ということを深く考えられる作品になっていると思います。
第13回新潮学芸賞、将棋ペンクラブ大賞受賞作『聖の青春』
ぜひ読んで頂けたらと思います。